すっかり厚労省を信用しなくなっているのでは・・・
あの大騒ぎは一体何だったのだろう。メキシコやアメリカからの到着便に係官が乗り込んで乗客に対して検疫を実施していたが、そんなことで豚インフルのウィルスの上陸を完全に防げるのだろうかと醒めた見方をしていたことを思い出す。
案の定というか、当然のことだろうが、成田の検疫で引っかかった人たちはほとんどいなくて、およそ関係ないと思われた神戸で発症。一体、厚労省は何をやっているのかと各方面から非難が集中したのも随分昔のように思える。
『発熱外来』などと言う聞き慣れない言葉の『窓口』をつくって、インフルエンザの症状が疑われた場合は、掛かりつけの医院や病院ではなく、そこへ行くように指示したが、そこでは待合もテントの中では、かえって感染が進むのではと思ったものである。
医師、特に開業医としては厚労省からこの処置を通達されたものだから、インフル感染が疑われる外来患者の診療を拒否するのは当然だったろうが、医者が診療を拒否するのは納得いかない、とこれまた非難が始まる。
国民の声が大きくなると、大臣が『診療しない医師がケシカラン』なんてことを言いはじめたのにも驚くが、あまりにもブレまくった対応には呆れる思いだった。
現在でも『豚インフル』に感染したというニュ-スは時々流れるが、世間の反応は、過去のものとばかりすっかり覚めている上に、症状が軽く毎年流行するインフルエンザと比較してもたいしたことがないということから、我関せず・・・といったところのようだ。
厚生省は名誉挽回の意味があるのだろうか、今秋にも予想される新型の『豚インフルエンザ大流行の第2波』に備え、医療対策や検疫態勢の見直しを検討していることが新聞に掲載されたが、あまりにもブレまくった対応を見ていると、どこまで効果が上がるかさえ疑わしい。
見直し案によると、発熱など感染が疑われる症状がある人を最初に診る『発熱外来』を原則『廃止』、検疫態勢を『縮小』する方向だというから、当時のあまりの慌てぶりの自己批判なのかも知れないと笑ってしまう。
それでも厚労省(だけではなくどの省庁も同じだが)は国民に簡単に『ゴメンナサイ』という言葉は出したくないと見えて、患者の増加で特定の医療機関に診療が集中し『医療態勢が崩壊』することを避け、『重症者に力点』を注ぐ対策に切り替えるのがねらいだという、言い訳めいた言葉をつけている。
『発熱外来』にこだわらず、原則的に広くすべての医療機関で患者が診察を受けられるようにすることは当然だろう。重症患者は必要があれば入院できるが、軽症患者は入院させず、自宅療養させるというが、これも当然。
現行では、感染の疑いのある人全員に遺伝子検査を実施しているが、感染が広がってしまうと、必要性は薄れるとの理由から、遺伝子検査は一部に限り、患者の集団発生の早期確認に重点を置いた態勢へ切り替えるらしい。
検疫態勢も通常の検疫に戻す方針だという。これもWTOが世界的大流行(パンデミック)を宣言したため海外から日本への感染者の流入を阻止するのは困難という言い訳が頭についているのも、役所らしいと思えば当然か・・・。
遺伝子検査というものがどんなもので、それに要する費用がどれぐらいかかるのか知らないが、『豚インフル』に対して決定的な治療方法があるならともかく、現在はワクチンもままならないらしいのでは、遺伝子検査をしてまで『豚インフル』を見分ける必要があるのだろうかと素朴な疑問を持つ。
見直しは結構だが、今回の大騒ぎをもう一度きちんと総括して、『行き過ぎがあった』とはっきり声明を出さないと、オオカミ少年ではないが、万一、今秋流行するだろう『豚インフル』がより大きな感染力と殺傷力を持ったものなら、またまた対応がブレまくり、混乱が大きくなることは間違いなさそう。
また、ワクチンは、7月中旬から来年2月まで製造しても3320万人分しか確保できないため、感染すると重症化しやすい疾患の患者と医療関係者から接種するというが、地球上の圧倒的多数の人々には行き渡らないことは周知のこと。しかも次の『新型インフル』にはあまり効かないとなると無駄のような気もしないでもない。
『豚インフル』が爆発的な流行しているインドネシアなどの国は、患者の症状などの情報をもとに先進諸国の大企業が『強力なワクチン』を作ったとしても、価格が高過ぎて自国民にはとても配れないというので、情報を出し渋っているらしい。これも理解できる。むしろ、総数1億人の日本でこの数は十分ではなかろうか、とも思ったりする。
『豚インフル』には頼らず様々なウィルスに打ち勝つような生活習慣をつけることが先決ではないだろうか。
厚労省は、そのための有効な具体的な指針を打ち出す義務があるのでは・・・。(田舎親父)


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