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2010年1月13日 (水)

『野菜工場』で作る野菜は安全安心であるはずはない・・・

 先日NHKのクロ-ズアップ現代で『植物工場』を取り上げていた。国谷さんの歯切れの良い司会が魅力で、時間がある限り見るようにしているが、この『野菜工場』に対しては何となく後味が悪いものを感じてしまった。
 ひっかかるのは、国谷さんが何度も言う『土を使わないので安心安全な野菜』という部分。野菜作りは土が基本なはずなのに、根本的に説明がなされていないことである。
 野菜工場では土は使わないので、土に存在している雑菌類の存在は考えなくても良い。しかし、野菜は水だけで育つわけはないので、濃厚な肥料を溶かした水溶液として野菜に与えているのは誰の目にも明らか。
 人間に必要な栄養分をそのまま、病院で使う栄養点滴などのように植物が直接吸収し体内に蓄積できるなら別だが、そんな夢のような水溶液など存在するわけはない。例え夢ものがたりで、そのような魔法の液体が発明されたとしたら、野菜そのものを食べるより、その液体を飲む方がはるかに合理的。

 素人百姓の経験でしかないが、野菜に必要な肥料はチッソ・リン・カリの三つで、腐葉土や堆肥にはこれらの要素が十分含まれていることは知っている。化学肥料を使いすぎるとたちまち土がやせ衰え、野菜が育ちにくくなるばかりか、病気に罹りやすくなることは経験しているので、『野菜作りは土作りから』という教えを肝に命じているつもり。
 私は、今でもキュウリと大根だけは狭い庭で作っているが、基本的には化学肥料は使わない。土地が狭いので、少しの化学肥料でもたちまち土が痩せるからだが、それ以外に化学肥料に含まれる人体に有害だろう思われる成分も不安だから・・・。
 クロ-ズアップ現代は、野菜工場の安全性などを解明する野ではなく、日本のト-タルの技術を中東への売り込むという発想で、ソ-ラ-パネルを張り付けたトレ-ラ-の内部で循環する水で野菜を育てるというシステムの映像が中心。
 だから、根本の肥料分を含んだ水に話題がいかなったのだろうが、わずか20日間で見た目にも美しいレタスが育つには、相当濃縮した肥料を溶かしこんだ水溶液が必要なはず、これらの水溶液が安全で安心だと言う保障はどこにもないことを忘れている。

 葉ものの野菜の主な肥料はチッソである。そこで水耕栽培で使われる肥料にチッソが大量に使われているだろうから、このことについて図書館に出かけ少し調べてみた。
 すると水耕栽培には『硝酸態窒素』という聞き慣れない物質を使うとある。
 解説では、『この物質は硝酸イオンのように酸化窒素の形で存在する窒素のことで、通常はNO3-の形の硝酸イオンに金属が結合した硝酸塩の形で存在しているが、このうちNの部分だけをとって硝酸態窒素という。また硝酸態窒素は通常、窒素化合物の酸化によって生じる最終生成物』だとあるが、なかなか難解である。
 さらに『通常、土壌中の無機窒素は、アンモニア態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素の3つの形で存在する。通常、有機物が分解されるとまずアンモニア態窒素が生成されるが、土壌中の硝酸菌の作用で亜硝酸態窒素を経て硝酸態窒素にまで変換される。植物は硝酸態窒素のみしか、根から吸収して利用できないため、窒素固定菌がいない環境では生育できない。これを補うため、窒素肥料の中には硝酸態窒素が大量に含まれている』と続く。

 ここまで読んでみて、要は、土の中に微生物の働きがない水耕栽培では硝酸態チッソを大量に使わなければならないこと。そして、この物質は、堆肥などのような微生物によるアミノ酸化緩衝作用がないので、植物体内にストレートに硝酸態チッソとして蓄積されることになり、それが人体にストレ-トに入ることが理解できた。
 さらにさらに、人間を含む動物が硝酸態窒素を大量に摂取すると、体内で亜硝酸態窒素に還元され、これがメトヘモグロビンと結合してメトヘモグロビン血症などの酸素欠乏症を引き起こす可能性がある上、アミノ酸と結合して発ガン性物質のニトロソアミンを生じる問題が指摘されているという部分まで読み進むと、びっくりと言うより恐ろしくなる。

 今回の国谷さんはこの部分については一切口にしていないが、このあたりに全くふれず、野菜工場の効率や経済性だけを取り上げて、あたかも未来農業の夢を切り開くものとしての位置づけをしていることをこのまま見逃すと大変なことになる。
 いや実際、この番組を見て『野菜工場』で作られるレタスなどは、洗う必要さえないほどきれいで安全で安心な野菜だと思う人が大勢生まれたことは間違いない。これは恐ろしい。
 クロ-ズアッ現代が与える影響を思うと、暗澹たる思いにさせられる。(田舎親父)

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コメント

植物に必要な元素は最低でも10以上あります。個体によって好む元素が違うため当然その栄養配合も異なります。このことは少しでも農業について学んだことがあるならば常識のレベルです。無機栄養説などをしっかり読みこんでからブログに書いて下さい。3つだけというのは一次大戦期の古臭い、カビの生えた間違いだらけの学説であることがこの発表のすぐ後にまた発表されています。
土を保つということはそこから栄養を搾取しすぎないことが大前提です。旧来の農業ではどう頑張っても私たちの胃袋を養いきれません。今の農業方式で仮に日本の人口を養おうとしたら、本州のほとんどを農地に変えなければならないからです。農水省の危機管理マニュアルにこのことは詳しく記載されています。
また化学肥料によって土が駄目になるのはなぜかのサイクルをちゃんと掲載してほしいです。感覚的、通俗的意見で物事を批判するのは大人のすることではありません。理性ある大人であるならばその論拠となる学説、資料を乗せてから公共に発信すべきです。いたずらにこれが当たり前だから~と公共の電波に乗せるのは良識ある大人のすべきことではないです。
さらにいうなら日本の土壌の多くが火山灰由来のものでモンモリロナイトなどの粘土鉱物が少ないことから、野菜など栽培に向いていないことも証明されています。
また、従属栄養説などによると農業自体が自然の法に外れたものであることが体系的に述べられています。確かに自然界において特定の作物を限定して育て、その為に他の要素を除くということなどはあり得ないことです。人間の手によって環境を著しく変化させている点において、本質的に農業も自然破壊の一部と捉えることも重要です。

ながながと書きましたが結局一番言いたいのは、何かを否定するならしっかりとそれを証明できるだけの学説や資料をのせろということです。さらに言うならなぜ認められているのか、その理由と自身が反対をなぜしているのかを体系的に述べるべきです。
この二つがないものは意見ではなく愚痴でしかないからです。こんなことはちゃんとそれなりに学んできた学生なら皆できることです。
大人とは子供の手本とならなければならない存在です。である以上どこまで理性的・理知的であり教養を身につけ、それを子に示すかが問われます。

sawai様へ
であなたは何を言いたいの?
記事の意見に批判しているってことは肯定派?
意見とか論調ならば、自分の意見を述べなよ(笑)
肯定派の正しいと言える確実な論拠を出しなよ。
今の根拠は、すべて正しいわけじゃないんだよ(笑)
今になって見直されているのもあるんだよ。
ただ言えるのは、多様な微生物、多様な栄養素でできている土で作る作物と植物工場の違いを考えてみてよ。
例で言えば、無菌状態で育った子どもが菌に接触した時にどうなったか考えてみてよ。
もうちょっと想像力をつけてみて(^^)

私の父はもやしを作ってました。
今はなくなっていますが。
現在の水耕栽培には、私も批判的です。
現在の、もやしに関しては、完全に工業製品です。
大量の薬品により、消毒・滅菌と称しての漂白剤「次亜塩素酸ナトリウム}等々を発芽状態から使用、生育管理のため「エチレン」等々を使い栽培されています。
自然界にないものを作るということは、そのようなことではありませんか?

俺は水耕栽培より露地野菜の残留農薬の方が遥かに怖いね。個体差ありそうなのに全品検査なんかできない。
高齢化が進む農家でミスが起こらないとは思えんし。

批判するにしても、しっかりと責任をもって批判していただきたいものですね

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