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2013年9月 7日 (土)

たかだか数点の差にガタガタする愚・・・

 猛暑・酷暑に苦しめられた今年の夏であるが、季節は確実に進み、今日は『白露』。暦通り、今朝などは明け方はあけていた窓を閉めるほど涼しく感じ、やっと秋の訪れを実感できるようになった。

さて今日のつぶやきであるが、先月末、4月に全国の小学校5年生と中学3年生全員を対象にして実施された『全国学力調査の結果』の結果がまとまったと文科省から発表された。

 小学校では国語と算数をさらに2つに分けて、教科基礎的な知識を問う問題と、習った知識などを活用して解く問題に分けているようだが、知識の活用力を見る問題の方の正答率が低いのは従来通り。こんなことは、わざわざ全国一斉の学力テストをしなくてもわかりそうなものだが・・・。 

そして、今回は最も低い正答率の都道府県と全国平均の差が、初めて5ポイント以内に収まったのだそうだ。これは、知事の意向を受けて教育委員会が『点数上げろ』との命令に、校長はじめ教員たちが必至になったからだろうと推測すると、学校現場での涙ぐましい努力の様子が目に浮かぶ。

 しかし、地域差は今まではあまり代わりばえがない。都道府県別でみると、今回も秋田、福井の両県が好成績で上位を占めている。高知など調査が始まった当初よりも順位を上げた例もあるが、下位は沖縄や北海道、そして大阪という順位が固定化されているのは気になる現象で、地域の序列化につながりそうだ。

 上位常連の秋田、福井両県の県教委担当者が、共に好成績の一因として挙げるのが県独自の学力テストの活用だそうだ。両県に限らず、点数向上に熱心な都道府県は毎年、県独自の学力テストをやってようだ。

それも、小学4年生~中学2年生を対象に行っているというから、リハ-サルと表現しても差し支えないようだ。県が点数を上げることを重点目標とし、問題作成には県教委の指導主事に加えて現場の教員も参加し、正答率の低い問題については指導例を作り授業改善に生かすのだそうだから、点数が上がるのは当然だろう。

 このほか、福井県は応用力を問う『B問題』対策にも力を入れ、『コア・ティーチャー養成事業』と命名して、県・市町教委の指導主事が学校を月1回程度訪問し、読解力や活用力を育成する授業を教員とともに研究しているという。

 トップを死守している秋田県は01年度から小学1、2年で『30人程度学級』を導入し、02年度は中学1年にも拡充して、現在は小学3、4年と中学2年でも、30人学級を実現。そのため、学級数増に伴う教員の配置などで12年度までに投じた予算は計約80億円というから、現場が動かざるを得ない環境を作っている。

上位になりたいと願っているのは全国の教員の共通した思いだろう。秋田や福井の教員には、落ちてはならないというフレッシャ-が働くと同時に、トップを守るという使命感を持って『きめ細やかな指導』しているのだから、県教委が『少人数クラスで、一人一人の学習状況を把握した指導が上位維持につながっている』と胸を張るのはよく分かる。

 一方、下位グル-プとして固定されているのが沖縄・北海道・大阪だという。これは私の勝手な想像だが、沖縄と北海道は方や基地問題、こなた面積と人口の異常なバランスという環境から、その結果はある意味推測できる。しかし、大阪となると・・・。大阪の教育界は、今頃はてんやわんやの大騒ぎになっているのではないだろうか。

下位グループから抜け出せない県が抱えるのは子供たちの生活習慣の問題だという説もあるそうだ。となると、大阪府は各学校に児童生徒の『就寝状況』や『家庭環境』の詳細な調査を命じているに違いない。

その結果、テストの点数と児童生徒がおかれた環境と、ある程度説得力がある相関関係を示すためにも、市町村ごとはもちろん各学校毎の成績公表を求める要求は一段と強まることは想像に難くない。そして、公表された暁には、特に点数の低い市町村教委や学校には、アメとムチの政策を実施するのではないだろうか。

しかし、各学校のテストの点数を発表すれば、学力テストの点数が『学力』だと擦り込まれた市民は、点数の高い学校に殺到することは目に見える。住居を移動できる財力ある層は、子どもにより高い『学力』をつけさせるためには住民票を移すこともあり得るだろう。

となると、ますます点数差は広がるのは目に見える。結果的に、大阪府としての順位は上がるかも知れないが、府内の地域格差・学校間格差が広がり、学力テストとは別の問題が起きることは容易に想像できる。

文科省はこんなことを理解できないはずがないと思いたいが、大阪はじめ一部の自治体から公表の強い希望があり、自治体の裁量に一任することも検討しているらしいから、近い将来公表する可能性は大らしい。そうなると・・・。

 学力テストは過去に、競争と序列化が過熱して廃止された歴史がある。総合的な学習の時間という画期的な教育方針を打ち出しながら、『学力低下批判』をきっかけに復活させた現在の学力調査が、同じ轍を踏むことは間違いなさそうだ。

 文科省の言う『学習の理解度を確認し、指導改善に役立てる』ことが目的なら、抽出型の調査で統計的にも十分だろう。しかし、来年も全員調査を実施するとの方針は、どうしても全国一斉のテストをしなければならない利権でも隠されているとしか考えようがなさそうだ。

 莫大な金額をかけてテストを実施するより、都道府県にはそれぞれの教育目標があるのだから、各地の教育委員会が真摯な態度で学校現場と協力・議論し、そこで明らかになった課題に予算をつけて解決するという姿勢示してほしいものである。(田舎親父)

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