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2013年9月25日 (水)

明治神宮の森が危ない・・・

 一昨日の東京新聞の朝刊の一面の『神宮の森 美観壊す』という大見出しに目が留まる。副題として『20年五輪 新国立競技場 巨大すぎる』とあるので、これは面白そうだと、東京新聞に拍手を送る。
 2020年東京五輪のメーン会場となる新国立競技場をめぐり、世界的建築家の槇文彦さんが計画の大幅な見直しを求める論文を発表したという記事である。浅学の私には槇文彦という方が世界的な建築家であることなど全く知らなかったが、オリンピックのメ-ン会場は、現在の国立競技場を建て替えるということ程度は知っている。
 槙氏は、建て替えて生まれる新国立競技場が、現計画では巨大すぎて歴史のある明治神宮の森の美観・景観を壊すと懸念しているとのことである。記事にはその範囲などの略図が図示してあるが、それを見ると、現在の森の部分が大きく削り取られることが一目瞭然。槙氏ならずとも、これは問題だと感じる人は多いのではないだろうか。
 さらに、莫大なコストがかかる恐れもあるのに、関連した情報が知らされていないと指摘しているが、全くその通り。マスコミは今まで(現在でも)『東京オリンピックの会場はできるだけそのまま使い、しかも会場を狭いエリアに集中させて、できるだけコンパクトな大会』と報じていているが、この図面を見る限り、コンパクトというのはウソで固めたタテマエだけで、実際にはとてつもなく広く、しかも豪華な施設を持つ競技場図が頭に浮かぶ。
 記事を読み進めると、文科所管の独立行政法人『日本スポーツ振興センター(JSCというらしい)』によると、『世界一のスタジアム』目指した新競技場は、現国立競技場を取り壊して建て替える予定だとある。
 施設を大幅に拡充。開閉式の屋根を備え、観客席を5万4千席から8万席に増やすほか、スポーツ関連の商業施設や博物館・図書館などを併設ということまでは報じていたような気がするが、延べ床面積は現在の5.6倍の29万平方メートルにふくらむということまでは知らされていなかったのではなかっただろうか。
 なるほど、ここまで広く豪華な競技場となると、神宮の森の樹木を伐採なしではでき得ない話。槙氏『新競技場は数字(延べ床面積)だけ大きくて、必要かどうか疑わしい機能が多い』との強い懸念になるほどと納得する。
 明治神宮の森は、その名前が示す通り、天皇を神格化する意味で明治神宮と共に大正時代に整備されたことは社会科の教科書でも取り上げている。恐らく、天皇制度に疑問も持っている人でも、一度、この森を歩いてみると、大都会・東京のオアシスであることを感じない人はいないほど、東京のシンボルでありなくてはならない場所になっている。
 私もその一人で、この森がもしなかったら、今日の東京は存在しなかっただろうと、この森を作るために汗を流した先人たちの素晴らしい情熱に心からの敬意を表しているものであるが、こともあろうに、たかだか2週間程度のお祭りのために、この森を伐採するという愚かさには開いた口が戻らない。
 都はすでにこの計画を決めて、そのための布石として、今年の6月に神宮外苑の建築規制を大幅に緩めて、高さ制限を15メ-トルから一挙に75メ-トルにしているという。高さ70メートルに達する巨大な競技場を建てるためにだけに、である。
 国際基準では、(バカバカしい話だが)オリンピックの主会場に使う競技場は観客席が6万人以上必要だと決められているそうだ。ロンドン大会の会場は、8万席のうち6万席は仮設だったというから、イギリス人は賢明な方法を採用したものだと感心する。それに対して、東京都はロンドンより豪華なものにしたいという見栄が勝り、新国立競技場は、仮設なしで8万人分の観客席を作るという。
 『全て本設にしなくても五輪はできる。終わった後、8万人もの観客席がどれだけ使われるのか。17日間の祭典に最も魅力的な施設は次の50年、100年後、都民にとって理想的とは限らない』との槇氏の言葉は重い。
 ここまで、昨日のうちに書き留めていたのだが、今朝の『天声人語』は論調は弱いながらもこの問題を取り上げているたとを知り、『なんだ、朝日の主筆もも、少しはこの計画の拙さを感じていたのか・・・』と、少しはホッとする。
 誰が決めたのか知らないが、(利潤追求から生み出されたのだろうが)収容人数というシバリは、オリンピックだけではなく、全ての世界大会に提要され、サッカ-を例にとると、5万人規模の収容人数の(サッカ-と一部芸能イベントためだけの)コンクリ-トの固まりともいえる競技場が全国各地に生まれている。
 その全てが国や自治体が作るのだが、すぐに運営不能となり、民間企業に命名権を売り渡し、天下り先を確保する意味で、その企業を中心とする運営会社に依託する形になっているが、新国立競技場も流れになりそうだ。
 こんな無駄なハコモノを作るために貴重な緑をなぎ倒す愚。先人の血の滲むような苦労を知ったら、このような愚かな計画などしないものだと思うのだが、(副知事時代はどちらかというとオリンピックに批判的だったと報じられている)イノセという都知事は、就任したとたんに『オリンピック命』的な人種に変身したらしく、何が何でも作りたがっているのも、許し難い変な話だが。
 都民のオアシス・誇りである明治神宮の森を、都民が選んだ知事が壊す図式を、良識ある都民なら、許さないはずだと思いたいが・・・。(田舎親父)

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