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2013年9月30日 (月)

『反転授業』とは面白そうだが・・・

 佐賀県の武雄市は何かに目新しいことをする自治体だという印象を持っているが、今度は市内の全ての小中学生に、一台ずつタブレット端末を配るという記事を見つけて、10年以上前のことになるが、全家庭に、当時インタ-ネットとつながるゲ-ム機として話題を呼んでいた、ドリ-ムキャストを全家庭に配布して、学校と家庭との相互通信の実験をしたことを懐かしく思い出す。

私の取り組みは、当時はインタ-ネットさえ一般家庭に普及していなかった時季に加え、使ったマシ-ンがドリ-ムキャストというゲ-ム機だったこともあって、一部の保護者や教育委員会の理解を得るのが難しく、結果的には大失敗だったが・・・。

教育の世界は保守的というより、全てが足並みを揃えることが大原則なので、一つの学校、一人の校長が他校とは違う取り組みに挑戦しはじめると、たちまち周りが寄ってたかって妨害するのが常。真っ先にその芽をつぶすのが教育委員会となると、新しい取り組みに挑戦するという気概そのものが生まれ難い雰囲気があるが、武雄市教委が音頭をとってタブレット端末を配布となると、これは面白い。ついつい記事をじっくり読みたくなる。

 武雄市は10年度から、小学校2校の4~6年生に1人1台ずつiPadを貸与し授業で使っているというから、かなり気合が入っている印象受ける。それを、来年4月には小学生全員、15年春には中学生全員にタブレット端末を配る予定で、計約4200台を貸与するのだそうだ。

すっかりIT機器などと縁がなくなり、携帯さえ鳴るのが珍しく、持つ意味すら怪しくなってしまうほどアナログ人間になってしまった私には、子どもたちがiPadをどのように学習に役立てようとしているのか良く理解できないが、道具というのは使い方というか、使う人によっては、その威力が倍加するものだから、ぜひ正しく使いこなすような指導をしてほしいと願っている。

市教委は小中学生全員に1台ずつ配るタブレット端末で『反転授業』に取り組むのだという。『反転授業』とは聞き慣れない言葉であるが、児童・生徒は『授業の動画を入れた端末』を持ち帰り、家で宿題として予習をし、実際の授業ではわからない点を教え合ったり、議論しながら応用問題を解いたりし、学力の定着を目指すスタイルなのだそうだ。

これまで学校の授業で教えてきた基礎的な内容を、iPadを使って家で学び、家で取り組んでいた応用課題を学校で学ぶ・・・。なるほど、学校と家との学習形態が見方によっては逆になっている。

『反転授業』は、米国で2000年代から広がっているらしい。日本においても、(私が知らないだけで)教員個人が取り組んでいる例はあるそうだが、自治体単位で導入するのは初めてだという。

記事には、『すでにこの端末を先行して使っている市立武雄小で』とあることから、武雄小学校では、すでに一部で『反転授業』を進めており、その成果が上がっていることをうかがわせる。市教委としては、理科と算数の一部単元を選び、11月から全児童対象に反転授業をはじめるらしい。

児童・生徒が必ず自宅で動画を観て授業に対して予習するとなると、疑問点があれば、何度も観ることが可能となり、一人ひとりが自分のペースで学べることになることは間違いないところ。また、何度も観るうちに疑問が消えることもあるはずだろう・・・。

あらかじめ知識を持って学校の授業に臨むのだから、お互いの議論はかみ合うに違いない。知識を応用する課題に取り組むことにも役立つことも想像に難くない。

武雄市教委の姿勢には敬意を表したいが、このスタイルを果たして全小中学校に広げた時、全ての児童・生徒は市教委が思っているほど主体的に予習に取り組むのだろうかという素朴な疑問と共に、児童・生徒に見せる動画の魅力を高めることが重要だと思うのだが、まずは塾や出版社の開発したものを利用するというから、まだまだ研究途中だという感を受けるところがやや心もとない。

さらに、全学年に全児童・生徒広げるとなると、保護者の協力が不可欠だろうが、中には、学習どころではない環境の家庭もあるだろうし、反対に、塾やお稽古事でスケジュ-ルがつまり、画像など観る時間がないということも起こり得る。また、小学生からiPadを持たせるなどもっての外・・・という保護者もいるのではないだろうかと、私の経験から得た疑問が頭をよぎる。

しかし、従来の授業形態を変えることには疑義はない。『学力』という言葉の持つ意味もおのずから変ってくるだろうから、将来的にはこの授業形態が当たり前になっていれば・・・と想像すると武雄市の目指す方向性を評価したい。

教員の意識改革と資質の向上で、塾頼みの教材を、教員自らが充実させられるかも大きな課題だろうが、このあたりを含めてさまざまな課題を克服しながら、『反転授業』計画を推進してほしいものである。(田舎親父)

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