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2013年9月 9日 (月)

判決そのものは疑義はないが・・・

 結婚していない男女間に生まれた婚外子の遺産相続が、結婚した夫婦の子の半分とした民法規定が憲法に反するかどうかが争われた裁判の特別抗告審の決定で、最高裁大法廷が下した『憲法一四条が保障する法の下の平等に反する』という判決は、世間知らずの私にも、『これは重いぞ』と思わせるほど、いろいろな面で影響が出そうだ。

 記事によると、最高裁が法律の規定を違憲と判断したのは、婚外子の国籍取得をめぐる2008年6月の国籍法判決以来、戦後9件目で、民法では初めてだという。最高裁で全員一致でのこの判決は、明治時代から115年続く民法の規定は改正を迫られることは間違いなく、判決直後に(前自民党総裁の)法務大臣が『急いで、法整備・・・』と発言しているので、次の国会で民法見直し法案が成立する可能性が高いようだ。

 それにしても、自分たちの身を切る法案、例えば定員削減や選挙区の見直し、また歳費の削減などの法案は、全く他人事で事が進まないのに、他人の懐問題に対しては『義(筋論)』を唱え、即改定とはさすがに政治屋と呼ばれるに相応しいと、変なところで感心する。

 法律には全く疎い私であるが、『婚外子』という言葉は,文字面からも、正式に結婚した夫婦間にできた子どもではなく、法律上の結婚をしていない男女の間に生まれた子どもであることぐらいは理解している。

 民法では結婚している夫婦の子どもを『嫡出子』と規定し、『婚外子』は『非嫡出子』とも呼ばれるとの事。今回の判決の背景には、『婚外子』は1990年の1万3000人から2011年は2万3000人に増加し、出生数に占める割合も1・1%から2・2%に上昇しているという事実があるようだ。

 明治以来続いている現在の民法では、相続について『民法900条4号ただし書き』という項があって、そこには『嫡出でない子の相続分は嫡出子の2分の1とする』と規定されているのだそうだ。

近年、我が国においても、生きざまの価値観が多様になり、結婚を望まない人や、夫あるいは妻の『浮気』が増えているというから、妊娠し(出産の合意の有無はともかくとして)結果的に生まれる子どもが増えることは当然の理。

その後、子どもが成長し、父親(母親)が死亡した場合、遺産相続で揉めるだろうことは、財産もなく『婚外子』などという言葉には全く縁のない私にでも、これまた容易に想像できることである。

今回の判決も、この遺産相続において『嫡子』と『非嫡子』との主張のもつれが最高裁に持ち込まれた結果であろう。民法では『親が遺言を残した場合は、遺言の内容が優先される』とあるらしいから、今回対象になったとされる二つの事案では、しっかりとした遺言がなかったようだ。

 最高裁の決定には疑義はない。同じ父親(母親)なのに、財産の相続で大きな差をつけられるのは違法だという事も納得するが、この判決には、およそ門外漢の私でもいくつかの面で気になるところがある。

 その一つは、18年前には同じ裁判で最高裁は合憲としていることである。これは、時代が違うという言葉では片づけられてほしくない。合憲とした理由があるはずだろうからこのあたりをわかり易く説明する必要があるだろう。

 それよりもっと大きな疑問は、01年にはすでに違法と断定しながら、それ以降で裁判になりながらも解決した遺産相続について、法的安定性に配慮し、今回の違憲判断は影響せず、相続内容を覆すことは相当でないとしたという一文である。

 恐らく、嫡子の半分の遺産相続を不服としながらも、民法ではこれで仕方ないと、弁護士に説得されて印を押した『非嫡子』も多いはず、恐らく、この人たちは『それはないぜ』と不満を持つのは想像に難くない。

 それはともかく、今回の判決では、ほんの少ししか財産を持たない、いわゆる庶民であっても、身に覚えのある人は『これは大変』と慌てているのではないだろうか。この問題を小説のネタにする動きも増えそうだ。

 この判決で、不幸な結果として生まれる子どもが少なくなることは期待できるが、それはこれからのことで、すでに存在する『非嫡子』の人たちが、今まで以上に『権利』を主張することは間違いないだろう。その結果、本家というか、家はもちろん先祖の墓を守ることを義務づけられた『嫡子』側にとってはますます悩みが増えるだろうことも容易に想像できる。

 人間関係は法律や理屈だけで解決できないことは誰もが認めるところで、『非嫡子』が家や墓のことは『私には無関係』と、カネだけをいただき、後は知らんというのも何となく気になる。

繰り返すが、全く門外漢の私であるが、互いの感情がすれ違い、トンデモない事件に発達するのではという思いが、杞憂であれば良いのだが・・・。(田舎親父)

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コメント

家族の問題は深いですね~

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