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2017年2月14日 (火)

僻地酪農家切り捨てが改革?・・・

 経済界の仕組みはほとんど理解できない私だが、北海道の場合、乳牛から得られる生乳をまとめる組織として『ホクレン』という組織があることは、何度か北海道の酪農地帯を訪れて、酪農家の人たちのはなしから知っている。

 特に北海道の道東地区は日本を代表する一大酪農地帯である。そこには、人間の数倍・数十倍の乳牛が飼育されて、日毎生乳を日本中に供給しているのだが、『ホクレン』がその仲立ちをして、乳牛加工会社と取引してくれているから生活できるのだという話も良く耳にしたものである。

 酪農家が個々に対応していては、利潤を得ることが第一目標の森永や明治、あるいは雪印といった大手の乳業メ-カ-にかなうわけはない。足元を見られて買い取り価格を叩かれても抵抗のしようがないのが現実だということも学んだこと。

 『ホクレン』のように、酪農家の窓口になっている組織は、『指定生乳生産者団体(指定団体)』と呼ばれ、生乳の集配はもとより、酪農家に代わり乳価の交渉に当たっているのだが、北海道、関東、東海など全国十ブロックに一つずつ、農協を中心に組織されているという。

ところが内閣府の規制改革会議の作業部会が昨年の3月に指定団体制度の廃止を求める意見をまとめたということから、酪農農家には不安が広がっているという記事に目が留まる。

この内閣府の『何とか会議』も、国のやりたいように方針を出す『有識者会議』という御用機関の一つに違いないようだが、指定団体をなくせば、酪農家にとっては販路の選択肢が増え、価格競争も生まれて生産量の増加につながる可能性があると提言したというから、識者と称する連中は実際に北海道の酪農家、特に超がつく僻地の酪農家の話を聞いたの?・・・と揶揄したくなる。

北海道は圧倒的に地域が広い上に、人的にもぎりぎりで経営していることから、『ホクレン』が価格を一定に維持してくれているので、ホクレンを頼りにしている人が多いことはすでに述べた。

今回の提言を農水省が受け入れて、酪農家が個人で乳牛メ-カ-と交渉して価格を決める制度にしたら、圧倒的強者であるメ-カ-に生乳価格は買いたたかれて、たちまち困窮するのは私にでもわかる理屈である。

なのに、国はなぜ、酪農家たちが必要だと望んでいる制度を変えたいのだろう。恐らく、経済界の要求をそのまま受けて、規制緩和することで大企業の利益が上がるようにしたいからだと想像している。いわば、上(大企業)が儲ければ、そのおこぼれで下(中小企業)も潤うという、何とか理論の押し売りである。

流通を自由化すれば誰でもが乳業産業に参入できるようになり、競争原理が働いて価格が安くなり、消費が延びるというタテマエ論が主流を占めているのだろうが、酪農家は、現在の制度でも生乳の販売先を自由に選べ、自分の選択で直接メーカーと取引できるのだが、先に述べたような理由でホクレンを頼りにしていることを忘れてはならない。

農業の場合、農協のシバリを嫌って、付加価値をつけた農産物をインタ-ネットを通して販売する農家は多くなっているが、生乳は日持ちせず迅速な処理が必要なため、チ-ズやバタ-に加工してなら付加価値もつけたとしても、個人で流通させるとなると並大抵の努力では難しいだろう。

街中では牛は飼えない。多数の牛の飼育ができる場所は限られてくる。酪農に競争原理を持ち込めば、地域サービスの格差が生じて、現在の北海道の酪農において、特に僻地の小規模酪農家の集荷が滞り、廃業に追い込まれることは明らか。

また、生乳に付加価値をつけるとなるとこれは難しく、『何とか農場』の生乳として売り出せるのは、大都市圏の近くの地域にか限られる。結局は、指定団体に集荷から販売まで委託することによってしか、経営が成り立たなくなるのもいたしかたない。

今回の農政改革について、私には難しいことは良く分からないが、指定団体をなくしたいのは補助金がらみであることは想像できる。

ホクレンが補助金を独占しているのがケシカランということもその底流にあるのだろうが、多数の酪農家から支持されている現在の制度を変えるには、もう少し丁寧な、酪農家の話に耳を傾けて、血の通った改革を望みたい。(田舎親父)

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