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2017年4月22日 (土)

国は解決する鬼無?・・・

 以前もつぶやいたことがあるが、20年ほど前だったかテレビニュ-スで流れた、諫早湾を分断する水門が、ドミノ倒しのように次々に閉められていく映像には気持ちが悪くなり、思わず目を背けた記憶が蘇る。

当時のアナウンサ-が『まるでギロチンのように・・・』というような表現をしていたのではなかっただろうか。300枚もの鉄板が、海を切り裂く光景は、まさにギロチンそのもの。漁民たちが命をかけて反対闘争を繰り広げてきたことをあざ笑うような印象を受けたもの。

このギロチン水門は国の事業として、戦後の食糧難がまだ続く1952年に構想が示されたという。当初から漁民の激しい反対運動が繰り広げられたが、例によって補償をチラつかせて、政治的な圧力で賛成派を増やすという国の得意技である札束横っ面作戦で漁民の分断をはかり、強引に工事を進めた結果、ようやく完成させた代物である。

海を水門で締め切り農地を作る。当時としては、食糧の確保が最優先されたのだろうが、経済成長が右肩上がりで国民生活は豊になり、農業も機械化が進む時代になっていく。その結果、むしろ米余りで減反政策がとられるようになるのだが、当然のことに干拓田の必要性はほぼなくなったにも関わらず、国は『決めた以上作る』という方針は変えず、止らない公共事業として工事を進めてきた。

あの、首都圏の水確保も流域の治水の必要性もなくなったにも関わらず、一度決めたら何がなんでもやるという姿勢で強引に工事を進め、一時的に民主党政権が中止をきめたにも関わらず、現在も完成を急ぎ工事が進められている『八ツ場ダム』と同じ構造なのだろう。事情が変わった時点が中止する勇気があればと思うことしきり・・・。

反対する佐賀県の漁民は、完成後も開門を訴え、ついに佐賀地裁が『試験的に開門』という判決を出し福岡高裁も支持し(当時の民主党政権が上告を断念したことで)3年間の余裕期間をおいて5年間開門することが確定したことに拍手を送ったもの。

しかし、開門すれば農業に多大な影響があると、すでに完成した開拓田で営農をはじめていた長崎県側の農民が『開門阻止』の訴訟。長崎地裁がこの訴えを『是』としたことから、ますます話がこんがらがることに・・・。

生活を守るために農民たちのこの行動は理解できないわけではないが、開門を命じた高裁と開門してはならないという、司法が真っ向から違う判断をするのは異常としか言いようがない。国は開門をしないで様子見と決め込み、一日90万円だったかを、漁民側に支払って現在に至っているというバカバカしい話が現実に続いているという。

漁業者たちは折角開門が決定したのに、開門を『否』とする判決は納得できず、やはり福岡高裁に控訴したが、先日、『開門する必要がない』という農民側の主張を支持した判決を出したことで、ますます事態は複雑になってきたようだ。

福岡高裁の試験的に5年間開いて環境への影響を調査するように命じた判決が確定しているのだから『開門』すれば、少なくとも今日の混乱はなかっただろうが、自民党が政権を奪い返したこともあり、ホンネとして開門したくない現政権は、一審の長崎地裁の審理で十分に反論せず、わざと敗訴に持ち込むような姿勢だったと伝えられていた。

被告は国である。本来ならば、敗訴を受けて最高裁に上告するところなのに、漁民に払うカネは国民から搾り取れば青天井だという発想なのだろうが、今後もカネを払い続ければ何とかしのげるという驕りから、開門しないですむ長崎地裁とこれを『是』とした福岡高裁の判決を歓迎しているのだそうだが、こんなバカな話がまかり通って良いはずがない。

国が断念したとしても、漁民側は当然最高裁に上告するだろう。この問題は最高裁で争われることになるのだろうが、果たして現在、司法の権限が怪しくなっている最高裁がどう扱うのか見物である。

しかしどう考えても私には、司法の内実など全く理解できないが、全く判断が違う判決出した佐賀地裁と長崎地裁を合わせて2で割るような美味い解決策は出るとは思えない。

今日の事態を招いた責任は国にある。税金だからというバカな発想で逃げ回ることを続けるのではなく、まず、水門建設は間違っていたという立場を明らかにして、漁民に謝る場面から、話し合いの場を設定するべきではないだろうか。

国には、無制限に続くバカバカしい、形だけの補償ではなく、何らかの妥協案を見いだす努力をする義務があると思うのだが・・・。(田舎親父)

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