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2017年7月24日 (月)

時間より成果?・・・

最近、『高度プロフェッショナル制度(高プロ)』なる新しい言葉をよく耳にする。マスコミ解説によると、高所得の専門職を労働時間の規制や残業代支払いの対象から外す制度だというが、言い出したのは経済連で現政権がなんとしても法案を通すつもりらしい。まあ、両方とも何はともあれ人件費を削減したいという思いであることは、超経済音痴の私でも想像がつく。

『成果さえ達成できれば、勤務時間は自分で決めればよい』いうのが売りものらしいが成果とは何なのだろうという疑問がまず頭をよぎり、硬直した頭脳と少ない知識でこのことを考えてみる。

例えば、饅頭を1日1000ケ作ればよいと決められたら、職人によって多少は時間的な余裕が生まれるだろう。それを達成すれば、後は自由時間となると、勤務時間をある程度までなら自分で決められる可能性はなるだろうが、この場合でも、一人二人の手作業ならば何とかなりそうだが、大量生産のラインに乗っていれば、そんな勝手が許されるはずがない。

それ以前に、ある程度の能力差(技能差)があったとしても、その差がそのまま手間賃というはっきりと線引きする発想は(日本人の優しさなのだろうが)歴史的にも馴染まず、資本家に富を収奪されることに憤りながらも、自分たちの分け前の中で互いに助け合いながら同じような労働環境を作ってきたのではないだろうか。

それでも、一つの行程で完結するようなもの作りの場であれば、そのような人間性は無視すれば理論的には、自分に課せられたノルマを達成することが『成果』だと決めやすいだろうが、成果を誰が決めるということでノルマの数(量)か変わってくることは誰の見にも明らか。

この場合、経営者は、できるだけ多くの製品(商品)を作るため従業員にはより多くの生産をノルマとして設定するのも世の常。そして、その商品を全て売りさばくために売る立場の人たちにもノルマが課せられ、達成のために、それぞれの立場の従業員に目標を達成する(成果)ために産業させてきたのでは・・・。

戦後は、労働者という意識が高まり、経営者との綱引きによって、それぞれの職場での互いの紳士協定が作られたと理解しているのだが・・・。

ところが、わが国の経済事情が複雑になり、多くの企業は儲けのためにはこれまでの常識ではとても考えられないような長時間労働が当たり前になっているらしい。となると、経営者としては、いくら残業を重ねてもノルマを達成しなければならないという意識を持たせることが最大の課題になっているような気がしてならない。

しかし、だからといって月100時間も200時間も残業を強いて良いはずがないのだが、現実として、経済発展(金儲け)が全て『是』とする風潮が蔓延し、月100時間を越える残業が普通に行われているのだから、精神的に追い詰められることは当たり前で、最悪の場合自殺という結果に現れている。

電通の女性社員の自殺が大きく取り上げられている。この女性は極めて高い能力を持っていたに違いない。電通の経営者たちは、この能力に倍加するノルマを課せることに罪悪感など何も覚えず、直接の上司には『もっと働け、祖き能力はある・・・』と叱咤激励したに違いない。そして、その労働環境から逃れられず最悪の結果に・・・。

繰り返してはならないのだが、つい最近は国立競技場の建設現場で、またまた将来を嘱望されていた若手社員が自殺したという悲しい事件が報じられた。

オリンピックという、3年後の夏の、たった20日間のお祭のためにだけ、どうしても完成しなければならないという気持ちが先にたち、やはり追い込まれたに違いない。

この事件は、オリンピックの是非はともかく、まだ十分に使え競技場を、まず壊してしまえとばかり更地にしてしまったことが、この青年技師の命を奪ったと考えている。飛躍があると言われるかも知れないが、私は、3年後の夏という期限のノルマがある以上、第二第三の自殺者が出るような気がしてならない。

話を戻すが、成果を達成すれ勤務時間は自分で決めて良いという『高プロ』制度であるが、富を収奪したい資本家たちが、成果(ノルマ)を小さく押さえるはずがない。普通の能力でも50時間程度の残業が当然という基準でノルマが決められたとしたら、その残業代を払わなくても良いのだから経営者としたらこんな美味しい話はない。

この制度に、こともあろうに労働者の立場を基本にしていると言われている『連合』の会長や事務局著が賛成しているというから、この制度が普通になったとしたら、自殺者が続出することは想像に難くない。

しかも、『高プロ』の対象職種は、今後決して狭くなることはあり得ず、むしろ広がることが確実となると、これでは自殺の可能性のある国民は数千万人にも・・・。なんともおぞましい話である。(田舎親父)

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