« 現場は混乱するだろうな・・・ | トップページ | 司法は死んだ・・・ »

2018年9月25日 (火)

リオの二の舞?・・・

 『ブラジル・リオデジャネイロにある国立博物館で今月2日に大火があり、由緒ある建物とともに約2千万点もの収蔵品の大半が焼けうせた』という見出しのニュ-スを、全国の博物館の関係者はどんな気持ちで読んだのだろう。

東京や京都の国立博物館は大したショックをもたなかったかも知れないが、地方の県立や市町村立の博物館では、きっと次は我が身と対岸の火事ではないと危機感をもった学芸員はじめ関係者は多いのではないだろうか。

記事によると、リオの国立博物館は1818年に開館したという。日本ではまだ黒船が襲来するかなり以前、まさに太平の夢の中。当時のわが国では、一部には私的な貴重品を残す人はいたと思われるが、公的に、民族文化や自然史などを保存するという考え方は、ほとんどなかったのではないだろうか。

ブラジルと聞くと、経済的はもとより、未だにアマゾン川流域で知られない民族が発見されたというニュ-スに象徴されるように、どちらかというと、文化面では遅れていると概念を持っている人が多いようだが私もその一人。しかし、実際には日本よりはるかに進んでいることを迂闊なことながら初めて知る。

そのリオの国立博物館は、南米大陸では最も古い約1万2千年も前の人骨をはじめ、南北米大陸で最大級の人類史や自然史の史料を収蔵していたという。これがすっかり失われたことにも驚くが、近年は予算が削られ、消火の設備など防災の対策が遅れていたという事実に愕然とする。

さらに、その予算不足の主な原因が、つい2年前に行われたオリンピックだというから、これは聞き捨てにできないものがある。

イギリスのBBC放送は、かねて専門家たちが深刻な火災の恐れを訴えていたことや、火災の後に副館長が会見して『一度たりとも満足な支援を得られたことがない』と述べたことを伝えており、政府に抗議する激しいデモも起きたと報じているように、ブラジル政府とリオ市は、博物館の消火設備の点検する予算も組めなかったことは事実らしい。

にわかには信じられないが、それほどリオ市にとって、オリンピック後の景気の落ち込みが酷かったようだ。

記事はわが国の博物館の厳しい状況にもふれており、日本博物館協会が2013年、国内の博物館に行った調査では、回答した2258館のうち8割に上る1806館が『財政面で厳しい状況にある』と答えたとのこと。

また3分の2を超す1514館が『施設設備が老朽化している』と回答し、さらに半数以上の博物館が『資料を良好な状態で保存することが難しくなっている』『施設の耐震化対策が不十分』という実情を嘆いている。

博物館がこのように冷遇される背景の一つには国や自治体の財政難があるが、見逃せないのは、選挙で票になりにくい文化政策を政治家が冷遇してきたことで、昨年4月、ヤマモト某という地方創生担当相が、文化財の保護や継承に尽くす学芸員たちを『一番のがん』と発言したのは、その端的な表れであろうと皮肉っている。

そう言えば、そんなことがあったことを思い出す。当時、デンデン政権は口先で『地方創生』などと、あたかも地方を大事にしているようなキャッチコピ-を流していたが、その担当大臣がこんな発言をするところに、この政権の本質があり、ますます地方が切り捨てられる危機感を覚えたものである。

記事は続く。博物館を管轄する文化庁という役所が今年創設50年になるそうだ。その文化庁が、本年度の当初予算をめぐって『新・文化庁元年』と華々しくPRしているそうだが、その額はたったの1千億円と少しらしい。

この金額はアメリカに押し売りされた2基のイ-ジス・アショアの一基分の1340億円にも及ばないというから情けない限り。もっとも、この価格も怪しく、実際には5000億円以上だという報道もあるほど・・・。

北朝鮮がミサイルをガァムのアメリカ軍基地に向かって発射することはないことは明らかなのに、アメリカさまを守るために、わが国が実際にミサイルを打ち落とせるかもわからない代物を装備する?・・・。

この無駄金を、先人から受け継いだ国土と同じくかけがえのない遺産である文化財を守る方策や、その拠点となる博物館など文化施設の拡充に当てれば、リオ博物館の二の舞はもとより、地方の文化遺産の保存に役立つにだろうに。

外国人観光客は増えているという。そして観光客のかなりの数が、日本の伝統文化や歴史に感心を持ち、近年、地方にも足を運ぶ外国人も多いと聞いている。

そんな外国人にバクチを勧め、懐のカネを目当てにカジノを作るよりも、日本の本当の味わいを知ってもらうために、博物館の充実が必要だろうと言いたいが、今だけ・金だけ・自分だけのデンデン一家にそんな声が届くはずはない。

そして、2020年のオリンピックが終わった後、残る莫大な負の遺産のツケを支払うために地方が冷遇されることは明らかだろうに、悲しいことに、そのことを伝えるメディアはない。

 行き着くところ、やはりリオの二の舞か?・・・。(田舎親父)

« 現場は混乱するだろうな・・・ | トップページ | 司法は死んだ・・・ »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/208744/67205529

この記事へのトラックバック一覧です: リオの二の舞?・・・:

« 現場は混乱するだろうな・・・ | トップページ | 司法は死んだ・・・ »

2018年12月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ