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2018年11月22日 (木)

恐ろしい時代の足音が・・・

 先日、『日刊ゲンダイ』という大衆誌のネット版で、一時は『ミスタ-文科省』と呼ばれるほどの権威と実績を誇っていた『寺脇研』という人の、道徳の教科化に強い懸念を示す一文を見付けた。

 世間は、失敗の見本のように『ゆとり教育』と呼ぶが、彼が旗振り役になって学習指導要領を根底から変えて、教育の本質として位置づけた『総合的学習の時間』の新設は、寺脇さんの情熱が作り上げたものだと評価しているのでこれは必読である。

『悲願の憲法改正とともに、安倍首相が執心するのが教育改革だ。初入閣した側近の柴山昌彦文科相が教育勅語を巡り、「道徳などに使うことができる分野は十分にある」と発言して物議を醸したが、あれは紛れもない安倍の本音だ。安倍政権の旗振りで始まった道徳の教科化に潜む危険性を元文部官僚がひもとく』という書き出しは、さほどインパクトは感じられないが、『この問題、お分かりになるだろうか』という設問に続いて、次のような例を出しているのにはビックリする。

教育出版が発行している小学校2年生用の『道徳教科書』に掲載している内容らしいが、『つぎの うち、れいぎ正しい あいさつは どのあいさつでしょうか』という設問に対して、したの3つのうちから正しい答えを選べという。

1 『おはようございます。』といいながら おじぎを する。
2 『おはようございます。』といった あとで おじぎを する。
3 おじぎの あと『おはようございます。』 という。

 私も何度か繰り返してトンデモナイことだとつぶやいているが、来年の4月から、道徳を『特別の教科』と位置づけて、算数や国語などと同じように、数値化して評価をしなければならなくなるが、果たして、正解は『これしかない』と断定できる人がいるとは思えないのだが・・・。

逆の表現をすると、断定させたい人がこの国の最高権力者になっていることが恐怖ではないだろうか。

寺脇さんも、『私も分からなかった』と述べているように、どれも礼儀正しく思えが、正解は『2』だという。このあいさつの仕方を『語先後礼』というらしいが、私にははじめて聞く言葉である。

まさか小学校の2年生の児童に、この言葉を押しつけるとは思えないが、恐らく、他の教科同様、点数で評価するための『市販テスト』がセットになっていることも十分想像できるとなると、『2』以外を選んだ児童は『道徳性がない』という評価になり、通知表では『普通以下』、あるいは文章表現で『道徳の基本の理解が遅れている』となるのでは・・・。

ここからは寺脇さんから外れ、私の経験談になるが、担任時代の朝の会や校長職なってからの全校朝会では、まず『おはようございます』とあいさつするのが定番で、それにこたえて児童たちの『おはようございます』という返礼の言葉を受けるのがごく普通の習慣になっていたことを思い出す。

この道徳の教科書によれば、私は『おはようございます』と言ってから、おじぎをしなければならないことになるが、私が改めて朝礼台で児童に向かって『おじぎ』をしたことは記憶にない。そんなことをしたら、児童たちは?・・・と思い、なんとも場違いな雰囲気が漂うのではないだろうか。

しかし、来年の春からは、道徳の教科書には、あいさつをしてからおじぎが正しく、それ以外は×となると、教科書をバイブルだとしている児童からは、『校長先生、教科書とは違うよ・・・』というヤシ?がとんでも決して奇怪しくない。想像するだけで楽しくなってくるが・・・。しかし、これは笑ってすませる問題ではなさそうだ。

あいさつの大切さを身につけさせたいと各学校ではいろいろと工夫している。あいさつをすると気持ちがいいことを実感させるなら、このことは決して間違っていないと思いたいが、現場の校長はじめ教職員さえ知らないだろう『語先後礼』と言われる、『礼儀正しい挨拶のしかた』しか認めないとなると、これは恐ろしい。まさに、教育勅語そのものと言っても言い過ぎではない。

蛇足になるが、何故私が選ばれたのかは不思議であるが、現役時代と退職してからの延べ10年間、文科省からの委嘱で、理科の教科書の審議委員を務めていた。その経験から、教育出版という会社の教科書が、一番無理のない表現をしていたような記憶がある。

理科と道徳とは比較にならないが、教育出版が文科省に忖度して、教育勅語的道徳を押しつけていると思うと、他の教科書会社の道徳教科書は押して知るべし?・・・かな。

トンデモない世の中が近づいているような気がしてならない・・・。(田舎親父)

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